2011年8月11日御嶽山

8月10日
実家を8時に出て、マリンライナー、新幹線、ワイドビューしなのを乗り継ぎ、木曽福島駅に着いたのが13時23分。
涼しい!
調べてみたら、木曽福島駅の標高は775mだった。
14時のバスで田の原へ。
もし雨が降らなければ、今日のうちに王滝頂上山荘まで登った方が明日が楽だ。
何度かレーダーで確認したが、山頂付近で17時30分頃から雨の予報。
マイクロバスは御岳湖の南側を通り、何度も急カーブを曲がりながら登っていく。
途中スキー場がいくつもある。

15時15分田の原到着。
寒い!
標高は2180m。
御嶽山山頂は雲に覆われている。
残念ながら今日行くのは無理だ。
御嶽観光センターに泊まることにした。
山小屋という認識で泊まると、風呂はあるし、石鹸を使ってもいいし、夕食に刺身は出てくるし、素晴らしいと感激する。
ただし大部屋に男女一緒。
他の部屋は予約客で埋まっているそうだ。

夕食後外に出ると雨が降ってきた。
レーダーを見ると、山頂付近は雷雨!
無理に行かなくてよかった。
20畳ぐらいだろうか、かなり広い部屋に、爺さん二人、おじさん一人、おばさん一人、50代ぐらいの夫婦一組、それと私、合計7人。
夫婦は遅れてやっていたが、それ以外の人たちは7時にもう寝ている。
外はまだ明るいというのに。
私もやることがないので寝ることにした。

何度も何度も目が覚めた。
汗だくになって目が覚め、時計を見ると21時!
そりゃまだ寝る時間じゃないよなあ。
皆さんとても静かだった。
私がいちばんうるさかった。
頻繁に寝がえりを繰り返したのだ。
普段は低反発マットで寝ているので、お尻の形にマットが合わせてくれる。
普通の布団で寝ると、腰が痛くなってしまう。
敷布団を2枚敷いたが駄目だった。

8月11日
田の原4時30分出発、濁河温泉13時10分到着、所要時間7時間40分。
休憩25分、歩行時間7時間15分。
田の原、王滝奥の院、剣ヶ峰、三十六童子の塔、二ノ池、摩利支天山、五の池小屋、三ノ池一周、濁河温泉。
山と高原地図のコースタイムを足すと9時間40分になる。

4時起床。
横になっていた時間は長いが、実質的にはどれぐらい寝られたのだろう。
寝ている人を起こさないよう、荷物を持って外に出て、そこで準備。
食堂に置いてあるおにぎりをもらい、4時半出発。
まだ暗い。
そして寒い。
雨具を着込んだ。

夜明け前の登山道。
鳥居がここが信仰の山であることを思い出させる。




徐々に明るくなり、金剛童子前でご来光を見ることができた。
時刻は5時6分。


行者がご来光を拝んでいた。

見上げると、王滝頂上山荘が朝日を浴びて輝いている。





まだ朝の5時だというのに、早速雲が斜面を上ってきた。





振り返ると、今日の出発地田の原も朝焼けに染まっている。





5時20分。
太陽は徐々に力強さを増していく。





オンタデ。





ツガザクラ。





朝日に輝くミヤマアキノキリンソウ。





遠方の高い山は恐らく恵那山。





こちらは木曽駒ヶ岳か?
田の原は雲に飲み込まれようとしている。





シナノオトギリ。





彩雲。





イワギキョウ。





朝露が重そうなイワツメクサ。



王滝頂上山荘の手前で道を左に取り、王滝奥の院を目指す。
ここには溶岩が門のような形になった日の門、月の門がある。
山荘からの合流地点で山頂方面を覗くと、そこは風の通り道で強烈な風が吹き上がってくる。
西からの強い風に乗って雲が山頂を覆い隠している。
ジェット機のような音がする。
何かと思ったら、地面の穴から蒸気が吹きあがっていた。



崩れ落ち草木も生えていない断崖絶壁、硫黄の匂い、ここは地獄だ。
奥ノ院のところに地獄谷展望所があるが、雲で眺めはいまひとつだった。

地獄谷。



日が当り風がないと暖かく、曇って風が吹くと寒い。
少し戻って日が当り風がない場所を見つけて、最初の朝食休憩10分。
お弁当は大きなおにぎり2個とおかず少々。
2回に分けて食べることにした。
山ではなるべく分けて食べた方がいい。
消化に血液を取られると足に回らなくなる。

回り道したが、これから王滝頂上山荘へ水平移動だ。





朝露に濡れたチングルマ。





日の門。



王滝頂上山荘からの登りは厳しかった。
強烈な西風が雲を吹きつけ、寒い。
何も見えず、意欲が失せる。
フリースを着ようか悩んだが、面倒なので結局着なかった。
もしこれでさらに雨が降ったらかなり厳しい。
遭難が多いのは、知識、準備、体力、装備が足りないからだ。
日頃運動しない人が3000m級の山に登るなんて無茶だ。
今回すれ違った人の中で、特に濁河温泉から登ってくる人たちは装備に問題がある人が多かった。
いちばんひどかったのは太った西洋人。
ジーパンに綿のTシャツ、手には小さなビニール袋。
明らかに雨具はない。
ジーパンは足を動かしにくく、体力を急速に奪う。
しかも綿の分厚い生地でできていて、濡れたら乾かない。
綿のTシャツも同様。
もし雨が降って風が吹いたら命が危ない。
スニーカーに普段着のおばさんも一体何を考えているのか。

御嶽剣ヶ峰山荘からは立派な階段を登り山頂へ。
山頂からは360度の絶景が広がるはずだが、雲で何も見えず残念。
道を左に取り、三十六童子の塔経由で下る。
相変わらず何も見えず、風は強く、寒い。

稜線で青空が見えた瞬間。



二ノ池あたりでようやく晴れてきた。
何と美しい池なのだろう!
水面がキラキラと輝いている。
斜面には雪が残っている。
来てよかった。
この山にはいくつも池があるが、どれも火口である。
1979年には大噴火し、大きな被害を出した。
この山は活火山なのだ。






二ノ池小屋と二ノ池。





遠方に剣ヶ峰が見える。





二ノ池本館から摩利支天山へ向かう。



摩利支天山手前あたりまでは天国だった。
正面には雄大な摩利支天山、振り返れば剣ヶ峰。
摩利支天山に登り始めたあたりからまた曇りだした。
高山植物の花が咲き乱れる素晴らしい場所だ。
山頂が分からず過ぎてしまい、危険な岩場でおかしいなと思い引き返したら道の北側にあった。
残念ながらここも雲に覆われていた。

摩利支天山。
右側から登り、左側の山頂を目指す。





剣ヶ峰、中央は二ノ池新館、手前にはサイノ河原が広がる。




サイノ河原避難小屋付近から三ノ池を見下ろす。
遠方に継子岳。





ミヤマダイコンソウ。





五ノ池小屋と継子岳、濁河温泉への道も見える。





摩利支天山山頂へ続く稜線。





また雲が来た。
何も見えなくなる数秒前。





クジャクチョウ。





五の池小屋とほとんど干上がった五ノ池。



五の池小屋でおにぎり休憩15分。

私が下ってきた稜線を歩く人たち。





摩利支天山。



ここで時間を計算した。
濁河温泉からは15時20分のバスに乗るしかない。
食事して温泉に入るにしても、時間が余り過ぎては困る。
かといってギリギリだと不安だ。
時間に余裕があれば継子岳を一周してこようと思っていたが、慌しくなるので三ノ池を一周することにした。
曇っていたので二ノ池のようなきらめきはなかったが、しばらくの間雲が切れ、剣ヶ峰、残雪、三ノ池の眺めなどを楽しみながら歩くことができた。

三ノ池。





三ノ池外輪を歩く人。
私もこの後そこを歩くことになる。



再び五の池小屋。
ここからは残念ながらずっと曇っていた。
唯一収穫があったとすれば、コマクサを至近距離から撮影できたことだ。
ただし最盛期は過ぎ、きれいな花は探さないと見つからなかった。

目的地である濁河温泉は遥か下にある。



ここでトライアスロンの大会があるらしい。
半袖短パンの選手らしき人が走っていた。
この標高で山を駆け登るというのはすごい。
下見をしていたのだろう。
ちなみに調べたところ、このトライアスロンはラン、バイク、登山。
つまり水泳はない。
私も出ようと思えば出られるかも。
しかし普通に登山していてもきついのに、レースなどとんでもない。
標高2180mでも寝ていると心拍が速いのが分かる。
3000m付近での登りは、ゆっくりでも心臓はかなり酷使している。
これ以上加速するのは無理だ。


オオシラビソ。





モミジカラマツ。





手すりが壊れているので触らないようにという注意書きがあった。
床が一か所ボコッと抜けた。



濁河温泉で山菜そばを食べ、温泉に入った。
露天風呂は熱すぎて入れなかった。
中の風呂に水を足して入った。

濁河温泉から木曽福島駅までバスで1時間30分。
ひたすら山の中の離合もできない細い道を、激しくカーブしながら下っていく。
しばらくするとようやく2車線になる。
競歩の選手達が上ってきた。
その下には立派なトラックがあり、陸上選手達が走り込んでいる。
ここを高地トレーニングの地にしようという試みのようだ。
「飛騨御嶽尚子ボルダーロード」という、車道の横の立派な歩道も一部完成している。
だが、もっと長い距離でないと役に立たないだろう。
実際競歩の選手達は車道を上ってきていた。

今中津川駅に着いた。
こちらはいい天気だ。
地上がこんなにいい天気なんだから、山も晴れてよと言いたくなるが、恵那山も山頂は雲の中。
高い山は晴れればこの世のものとも思えない絶景が広がるが、雲に覆われて何も見えない可能性も高い。
今回などこれ以上ないという天気予報だったのだが。

今日はよく食べた。
5食、ただし大きなおにぎり2個を2回に分けて食べたので、実質的には4食。
濁河温泉で山菜そば、木曽福島駅前で親子丼、千種駅前でカレー2種、ナン、ライス、サラダ。

明日は名古屋で会議があるので、今日は名古屋のホテルに泊まる。


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