5月20日三ツ峠山

標高1785m

JTBパブリッシング「関東の山Best100」には三ツ峠登山口バス停からの往復コースを紹介している。
登り540m、下り540m、歩行時間2時間45分で初心者にはお勧めできる。
ただ、あまり面白くはない。
昭文社「関東の山あるき100選」では、同じく三ツ峠山登山口から登って三つ峠駅に下るルートを紹介している。
1230m地点から1786m地点まで登り、610m地点まで下る。
所要時間5時間。
最後の車道歩きが長いが、屏風岩直下を下るルートで、これなら楽しめる。
ただ、三ツ峠登山口へのバスは休日しか運行されていない。
山と渓谷社「山梨県の山」では、富士健康センター前バス停から登り、河口湖駅に下るルートを紹介している。
この下りは長いが山歩きを満喫できる。
累積標高差+1205m、−1195m、方向時間6時間40分となかなかの負荷だ。

今回私は、三つ峠駅から登り、河口湖駅に下ることにした。
登り4時間10分、下り3時間40分、歩行時間は合計7時間50分。
三つ峠駅は標高610m、山頂との高度差は1175m。
「関東の山歩き100選」には「急坂の連続で難所。登りに使うとつらい」と書いてある。
休憩を入れれば順調でも9時間、ゆっくりすると10時間以上かかってしまう。
一般の方にはお勧めできない。

今日実際にかかった時間は

9時35分三つ峠駅出発
12時15分開運山山頂到着
登り所要時間2時間40分
休憩0分
歩行時間2時間40分

山頂で15分休憩

開運山山頂12時30分出発
河口湖駅15時10分到着
下り所要時間2時間40分
休憩は合計25分
歩行時間2時間15分

合計所要時間5時間35分
休憩40分
歩行時間4時間55分

新秋津秋津乗り換え、西国分寺乗り換えで大月方面に向かう。
逆方向なのにひどいラッシュだ。
人身事故の影響で運休の列車があり、混雑に拍車がかかっている。
しかも電車がかなり遅れている。
すんなりと乗れるはずの高尾行きが延々と来ない。
本当に疲れる。
大月から乗れるはずの富士急行の列車には乗れなかった。
そのせいで出発が30分遅れてしまった。
まあ仕方ない。
こういうこともあろうかと思い、遅れても大丈夫なように予め計画してあったのだ。

三つ峠駅からはまず車道を延々と登る。
タクシーで省略したい気分だが、近くにタクシー会社はない。
駅からいこいの森公園まででもすでに標高差230mを登っている。






神鈴の滝は全長400mの一枚の岩盤の上を流れているそうだ。
その先に山頂が見える。




車道終点近くにあった。
電話すると25分で来てくれるらしい。



ようやく登山道に入ると、今度は延々と急坂が続く。
確かにきつい。
時折富士山が美しい姿を見せる。
久しぶりに見ると、体に電流が走るほど感動する。
今日は運がいい。



しばらく登るとロッククライミングで有名な屏風岩直下の道。
圧倒的な迫力の巨大な岩が続く。
ここはぜひ通りたいコースだ。

屏風岩を見上げる。




新緑は始まったばかり。
山桜も美しい。









開運岳山頂からは思わず涙ぐみ、しばらくして笑い出しそうになるほどの絶景。
こんな眺めがあるのか。
衝撃的と表現していいほどの眺めだ。
左手には富士山、正面には南アルプスが雄大な景色を作り出している。
来てよかった。

スクロールしてご覧ください。




スクロールしてご覧ください。
南アルプスの眺め。
手前は黒岳。
特に黒岳の右、左から農鳥岳、間ノ岳、北岳の稜線が見事だ。




開運岳山頂と屏風岩。
あの平地から登ってきたのだ。





左に御正体山、右に杓子山。



いくつかの展望ポイントで御正体山などの眺めを楽しみつつ河口湖駅方面へ下山。
このあたりはまだ新緑が出始めたばかり。
山桜が見頃だ。
控え目なその姿こそが美しい。

天上山やそこから少し下ったところからも富士山の眺めがすばらしい。
そこからさらに下ったところにカチカチ山ロープウェイ駅があり、展望台から河口湖、富士山など絶景が広がる。

河口湖。





一般の方はロープウェイでここに来るだけで十分満足できると思う。



30分下って河口湖駅。
標高が高く、今日でも風が吹くと涼しい。

これほどの山とは思わなかった。
想像を絶する眺めだった。
今日は負荷が高く長距離の登山だったが、これだけ歩いてようやく満足感が得られる。
負荷が小さいとかえって欲求不満になってしまう。
今後はなるべく負荷をかけるようにしよう。
そうすれば数日間はその幸福感で生きていける。

<クマよけの鈴>
登山道入り口にクマ出没注意の標識。
鈴を鳴らすのはあまり好きではないが、仕方がない。
しばらくは鈴を鳴らしながら登った。
途中で前後に人がいる状況になったため鳴らないようにした。
下山途中、植林の暗い森になったところで何か動物の鳴き声がする。
一体何の鳴き声?
小熊だとやばい。
再び鈴を鳴らしながら下る。
車道を越えると人を見かけるようになってきたので今日の鈴はここで終了。

<ブレスサーモ>
標高1785mということで、地上よりも10度は低い。
ドライベクターでは寒いかも知れないと思い、長袖シャツと下着をブレスサーモにしたが、結論としてはやや暑かった。
ドライベクターで登れば汗の量を減らせただろう。
ただ、ドライベクターでは状況によってはかなり寒くなることも考えられる。
雨具の他にフリースかダウンを持って行った方がいいだろう。

<自転車>
山頂から河口湖駅へ下る道には自転車のタイヤの跡があった。
距離は長いが比較的なだらかな道なので、自転車で下る人もいるのだろう。
だが、私は山を自転車で走るのは危険すぎると思う。
先日亡くなったセンチュリーの方も、派手な転倒ではなかったが打ちどころが悪かったらしい。



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