2010年10月伊吹山

標高
伊吹山 1377m
伊吹登山口 210m
標高差が1000m以上あり、楽な山ではない。
急坂や岩が多く歩きにくい個所もある。
有名な山なので普段は登山などしないがこの山だけは登っておこうという人が多いが、途中でくたばりそうになっている。
山は朝早く出てなるべく早く目的地に着くというのが基本だが、帰りにこのペースでこの時間に登っていて大丈夫だろうかという人を多く見かけた。
スニーカーだったりジーンズだったりするのであまり山の知識や経験はないだろう。
ということは当然ヘッドランプなど持っていないだろう。
もし途中で日が暮れたらもう動けない。
場合によってはこんな低山でも凍死することもある。
ここはもうじきスキー場になるのだ。

米原から近江長岡までは東海道本線で9分。
そこからバスで伊吹登山口へ。
このバス、帰りは2時台の次は4時台で時間を合わせるのが難しい。

9時出発、1時30分帰着、所要時間4時間30分。
山頂周辺を散策しながら40分休憩した。
歩行時間は3時間50分、登り2時間10分、下り1時間40分。
山と渓谷社の日本百名山には5時間45分とある。
一般の人は私のタイムは参考にせず、本のタイムを参考にしてください。
しかもこのタイムには休憩が含まれていないので、さらに多めに見積もることが重要です。
ちなみに私は途中で休憩しません。
写真撮影や水分補給している時が休憩です。

山頂の最低気温は5度、最高気温15度とあったので寒さ対策にばかり気を取られてしまったが、実際には下の方は暑かった。
今日からCW−Xのロングタイツを履いたのでさらに暑い。
ただ、これを履くと足の疲労度は全く違う。
きつい山なのに筋肉痛が全く感じられない。
山の南斜面で、しかも標高が低いのに木がないので、日差しを浴びて風がないと非常に暑く感じる。
山頂では風が吹き急に寒くなったので雨具を着込んだが、下り始めると再び暑くなりリュックにしまった。

ちょっと装備は過剰だったかなあ。
手袋は夏用を装着、念のため真冬用のゴアテックスのものをリュックに入れておいた。
雨具上下、ダウン、リュックカバー、ヘッドライト。
まあしかしこれぐらいは最低限必要な装備だろう。

木がないので展望がずっとすばらしい。
霊仙山の見事な山容、近江盆地、そして琵琶湖。
やや霞んでいたのが残念だ。
花もたくさん咲いている。
この山は夏はやめておいた方がいい。
日差しで相当暑いだろう。

小学生の遠足は引率の先生に問題がある。
他の登山者への配慮がまるで感じられない。
前後から人が来たら、他の先生と連携を取って生徒達を邪魔にならないようにすべきだ。
グループで登山していて後ろから人が来たら、後ろの人が前の人に声をかけて通れるようにするのが常識だ。







着陸したパラグライダー。




























ススキの原、避難小屋、その先に山頂が見える。



人気の山の土曜日で人が多い。
抜いても抜いても人がいる。
人が多いと落ち着かない。
下りでは、バスの時間に余裕があったこともあり、ようやくじっくりと景色を堪能することができた。


カワラナデシコ





右遠方に琵琶湖が霞んでいる。





山頂から少し下ったところにある展望台からの眺めを楽しむ二人。




山頂から北方面の眺め。
手前に駐車場が見える。


山頂近くまでドライブウェイが通っていて、山頂にはジーパンにスニーカーといったいでたちの違う人種が多数。
山頂からの眺めも素晴らしかった。
登山中は主に南側の眺めを楽しめるが、山頂では北側など360度の展望を楽しむことができる。

南東方向遠方に養老山、左手前にドライブウェイが見える。





山頂は車で来た観光客で賑わっている。




登山中ずっと楽しんだ南方面の眺め。
霊仙山がどっしりとした山容を見せている。





山頂から東に少し下った展望台から山頂方面の眺め。










三合目、動いている気配のないゴンドラ。
ススキが見事だ。





山頂を振り返り眺める。

































さすが百名山。
展望がすばらしく、満足感が大きい。
ただ、山の知識に乏しい人が多いのが気になる。
少し風が強かったり雨が降ったら、途端に転倒して怪我をしたり低体温症になる人が出てくるだろう。
この山はそんなに楽な山でも簡単な山でもない。
登山するならそれなりの知識を頭に入れてから登りましょう。

<トレイルランニング>
達人らしき60歳前後と思しき男性。
よく日に焼け、太腿が見事に張っている。
3合目過ぎを登っている私を追い越し、しばらくすると下ってきた。
下山し始めてしばらくすると、また登ってくる!
この人伊吹山二往復してるよ!

それとは別に数名のグループ。
おじいさん一人、60代らしき夫婦、若いカップルの5人組。
走って登り降りするような楽な山ではないんだけど、みんなすごいね。
下山中の私を追い越していった。
途中で休憩しているところを私が追い越す。
ついに追い越されることなく、バス停にも私の方が30分以上早く着いたのはなぜ?

<車との違い>
伊吹山山頂に車で登って来る人と登山者の体験はどう違うのだろう。
得られるものが同じなら手早く車で登ればいい。
しかしそこには天と地ほどの違いがある。
一歩一歩踏みしめながら登ることによる大地との一体感。
自分が自然の一部だという実感が湧く。
一歩ごとに変化する眺めにより、景色が立体として感じられる。
自分の体で登って得られた体験や感動は、車で来ても決して得られるものではない。



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