2010年8月31日常念岳・大天井岳

4時半起床。
5時過ぎ、ご来光を見に外に出る。

日の出前の光景。





日の出直後の光に照らされた槍ヶ岳。






日の出と共に常念岳に向けて出発する人々。




夜になり気温が下がると、雲はどんどん下降し雲海となる。
山で最高の感動は、ご来光前後の光景、それに早朝の縦走だ。
雲が上がってくる前の日の出から僅か数時間、しびれるほどの絶景を楽しみながら歩くことができる。

小屋に帰り、朝食を取り、準備をして、6時15分出発。













東、雲海に浮かぶのは浅間山だろうか。






絶え間なく吹き続ける強い西風によって東に傾いた木々。






先を行く人々。




まずは常念岳を往復する。
標高2857m、小屋からの標高差は400m弱。
急な斜面は岩だらけで、岩は踏み跡ができないためどこが道だか分からない。
途中でどうやらコースを外れたようだ。
外れても登れるのだが、浮石が多く危険だし、疲れやすい。






横通岳に続く登山道、その向こうに燕岳など北アルプスの山々が見える。





なかなか手ごたえのある傾斜だ。
急斜面をジグザグに登る。






常念岳からは来た道を一旦下り、右の横通岳を経て、中央の大天井岳へ向かう。
今日の目的地燕山荘は横通岳の向こうに小さく見えている燕岳の手前にある。




急坂の登りで日が射すと、まだ6時台というのに暑い。
この先どうなるのかと心配になる。
登りはきつくて時間を短縮できなかった。
所要時間1時間。
標高2000mを超えると、登りで心拍数がかなり上がり、ドクドクと音が聴こえる。
この心拍数を下げるために、こまめな休憩がたくさん必要になる。

常念岳山頂に到着。




山頂からはまさに絶景。
左遠方に八ヶ岳、中央に富士山、その右に南アルプスが見える。






槍ヶ岳。






穂高岳。





スクロールしてご覧ください。
左遠方には御嶽山、右遠方には以前登った水晶岳、鷲羽岳も見える。






スクロールしてご覧ください。
カシミール3Dで作成した常念岳山頂からの360度の眺め。





穂高岳と槍ヶ岳。



眺めを楽しんでから、来た道を下る。
下りの方が登りよりも道を見つけやすい。
45分とあるところを38分で下った。

常念小屋から北上する。
今回は太陽を背にしようと意図的にこうしている。
それと、最終日に中房温泉に下れば、バスの時間まで温泉に入ったりして時間調整することができる。

来た道を振り返ると、横通岳の向こうに常念岳が見えた。





来た道を振り返る。
果てしなく続く道。
ここをずっと歩いてきたのだ。
氷河に削られた大地は、そこに座ればどこまでも滑り落ちていきそうだ。





東天井岳への道を見上げる。
先を行く人たちが見える。
空が青い。






先を行く人たち、その頭上に月が見える。






大天井岳山頂、その手前に大天荘。
小屋から山頂までは徒歩10分と近い。


大天荘でカレーライスを食べた。
なかなかきれいな小屋だ。

ここで携帯のことを書いておく。
山ではやはりドコモが圧倒的に強い。
登山者はドコモの防水携帯を持つのがベストだろう。
北アルプスの主要な道は大体通じる。
常念小屋でも燕山荘でも電波は完璧だった。
ただ、大天荘ではなぜか圏外だった。
燕山荘は混雑するので、大天荘に泊まった方がいいような気がするが、この点がちょっと引っかかる。
山で暇な時、携帯が通じるとなかなか便利なのだ。

これから歩く予定の尾根道は、東からの雲と西風とが激しく争う戦場である。






大天荘から10分で大天井岳山頂。
ここもすばらしい眺めだ。






スクロールしてご覧ください。
左から雲が残念な穂高岳、槍ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳は半分雲に隠れている、烏帽子岳への登山口がある高瀬ダム、燕岳へと続く稜線。




高瀬ダム。
ここから烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳と縦走したのは2008年9月のことだ。
あの時は天気が信じられないぐらいよかった。
日の出から日没までほとんど雲がなかった。
2日目は朝6時から午後5時半まで11時間半歩いた。
懐かしい思い出だ。



しばらく眺めを堪能し、さて降りようと思ったら、下山路がない。
しばらく探すと、踏み跡があった。
ところがこの道がひどい。
砂利だらけの急斜面で非常に滑りやすいのだ。
いざとなれば砂利と一緒にずりずりと滑り下りればいいので命の危険はないが、気をつけないと転倒しそうだ。
これはどう考えても本来の道ではない。
しかし何人もの人がここを通っている。
しばらく苦労して下ると、本来の道に合流することができた。
後で確認すると、地図にはそこに道はない。
来た道を大天荘まで引き返すと、そこから先に進む道があったのだ。
どうして迷った時、すぐに地図を出して確認しないのかね、君は?

下ってきた道を振り返る。
これはもちろん本来の道。
道でないところに梯子はない。



さて、ここからは表銀座と呼ばれる北アルプスでも最も人気の高い縦走路だ。
槍ヶ岳など感動的な光景を楽しみながら進む。

登山道にライチョウ。
なぜか逃げない。
人に慣れているのか?




しばらくは稜線の西側を歩いていたのだが、ここは東側。
日が上ると安曇野が暖められ、上昇気流が生まれ、雲が発生する。
その雲はいつも、稜線上で西風とせめぎ合いをしている。
山の東斜面は雲が運んできた水蒸気により多くの花が咲く。
それに対して西斜面は乾燥し、ハイマツなどが生えている。
東斜面と西斜面ではその植生は驚くほど違う。
























強い西風で東を向く木々。
枯れた木はまるでモンスターのようだ。
































西斜面に咲く花もある。
トウヤクリンドウ。





燕岳が見える。
燕山荘はその手前にあるはずだ。
花崗岩による不思議な造形は、すでにここから始まっている。












やっと燕山荘が見えた。





吹きあがる雲、それを押し戻す西風、歩いてきた道の向こうには槍ヶ岳が悠然と聳える。




燕山荘に着いたのは1時半。
読書室でしばらく本を読んでいると、ずっと雲の中だった安曇野が見えてきた。
外に出てしばらく眺めを楽しんだ。

有明山、その向こうに安曇野が広がる。






西方向、雲の切れ目から光の柱が現れた。




しばらくするとヘリコプターが飛んできた。
猛烈に砂を吹き上げるので、山小屋の人が入口を閉じている。
このヘリコプターが何往復もするので驚いた。
これほどヘリコプターが何度も来る山小屋は初めてだ。
最初は小屋の中から見ていたのだが、途中で外に出て少し離れた場所から撮影した。



東斜面は完全に雲に覆われ視界はほとんどない。
そこを、地面スレスレを飛んでくるのだ。
これには驚いた。
荷降ろしは非常に素早い。
10秒かからないぐらいで、あっという間に雲の中に再び消えていった。
ヘリコプターは朝5時半から6時にも何度か来た。

小屋にはかなり早い到着だった。
3時から雨という予報だったので、当初の計画を変更したためである。
布団5枚の2階に案内された。
二段ベットのようなもので、天井が低い。
階段は細く丸い木でできていて上りにくい。
結構腕力も必要だ。
それに、端に陣取ると、隣の人は私の布団を踏まないと1階に降りられない。
夜中に足を踏まれる可能性もあるのだ。
高齢の男女グループが小屋の人に文句を言っていた。
「77歳を2階にしたら落ちちゃうよ。1階にして!」
2階から落ちるような人はここまで登って来れないと思うが。
しばらくして二人組の登山者が来た。
布団5枚に3人は許容範囲だ。
しかもなかなか人懐っこいいい人たちである。
さらにしばらくして自分の布団に戻ると、隣に太ったおじさんが寝ていた。
別館はガラガラなのに布団5枚に4人を詰め込むとは一体どういうことか?
こちらは山小屋の混雑を避け、わざわざ平日に来ているのだ。
再び来ようという気がなくなる。
このおじさんはよくここまで登ってきたなと思うほど太っていて、こちらの布団まではみ出してきそうだ。
しかも非常に臭い!(綿を着るな!)
さらに鼾がひどい。
これは耐えられない。
フロントに行き、個室に変更してもらった。
追加料金2500円。
こちらは5畳半の個室を一人で使用でき、鍵もついている。
ふかふかの布団に新しいシーツまである。
使い古しの寝袋とはえらい違いだ。
布団は3組あったので敷布団を3枚敷いたのだが、結局背中が痛くて夜中に目が覚め、しばらく寝られなかった。

夕食は5時半。
その後再び外に出て、夕暮れ時の景色を堪能した。

暮れなずむ燕岳。



東では雨の地域もあり、稲妻も見えた。
その後は読書をしたり、テレビを見たり。
この地域のNHKはアルプスの天気も放送する。
7時からは燕山荘がまるでNHKの番組のように製作した古いビデオが上映された。



inserted by FC2 system