2010年8月30日一ノ沢から常念小屋へ


明日は4時起きだと思ったら12時半、2時と何度も目が覚めてしまい、ろくに寝られなかった。
始発に乗るため5時20分に家を出る。
外はまだコウモリが飛んでいる。
ひらひらと蝶のようだ。
駅に着くと、ズボンの裾に糞がついている。
ティッシュで拭いたが薄く跡が残った。
白と茶色の絵の具を画用紙に落として油がにじみ出たようだ。
この模様と3日間付き合うことになってしまった。
これはコウモリの復讐か?
喜歌劇「こうもり」じゃあるまいし。
誤解されては困る。
私は助けようとしたのだ。
登山を前に運がついたと喜ぶことにしよう。
駅のホームからは西の空に見事な朝焼けの雲。
すでに燕の時間になっていた。
(後でよく考えたら、これは燕の糞だ。
安芸中野駅前の電線では数百羽もの燕が夜を過ごしている。
その燕が朝飛び立つ前にした糞がついたのだ。
燕が飛び立つ時間にここを通ることがないから、頭上の燕に気がつかなかったのだ。
道路には無数の糞が落ちている。)

新幹線で名古屋、名古屋から特急で松本、松本から大糸線各駅停車で豊科駅11時28分到着。
天気予報というのは本当によく変わる。
出発時にはまだ晴れ時々曇りだったのに、新幹線で再度調べたら、常念岳は今日6時頃雨、明日は3時頃雨の予報。
ちなみに携帯のウェザーニュース山岳情報を参考にしている。
参ったなあ。
元々の計画は、雨が降らないことを前提としている。
迷った挙句、今日は三股から蝶ヶ岳ヒュッテではなく、一ノ沢から常念小屋を目指すことにした。
これにより、今日は5時間10分(山と高原地図のタイム)の所要時間を4時間35分に短縮し、明日も行程を短くし、これによって午後の雨を回避する。
山は太陽の熱により暖められた大気が上昇し、それによって雲が発生するため、午後は天気が悪くなることが多い。
山ではできるだけ朝早く出発し、目的地に早く到着しなければならない。
雨も面倒だが、それよりも雷が怖い。
稜線で雷が鳴ったら命が危ない。

一ノ沢からの道は沢沿いで、途中巨大な花畑があった。
花は梅雨明けから8月上旬が見頃で今は終わっている花も多いが、この花畑ではまだまだ多くの花が咲き誇っていた。
なかなか暑く、スポーツドリンク1リットルと水500mlを飲みきったが、長時間トイレに行く気にならなかった。
結局4時間35分と書かれていたが、3時間30分で常念小屋に到着。
西の槍ヶ岳、穂高岳は雲の中。
南に明日登る予定の常念岳が巨大だ。
北には明日通過する予定の横通山。

常念小屋はなかなかきれいな小屋だ。
6畳(ひょっとして5畳半?)の部屋には布団が6枚、ただしスペースは布団6枚よりも狭いため、完全には敷けない。
定員は12名だそうだ。
つまり混雑する休日などは一つの布団で二人寝ろということである。
山小屋というのはどこもそういうものだ。
ちなみに私は人気の小屋に休日に泊まるようなことは決してしない。

山小屋では水は貴重だ。
槍ヶ岳山荘では顔すら洗うなと書いてあった。
雨水のみを利用しているため、水が極度に不足しているのだ。
丹沢では外に置いてあるタンクの水を柄杓ですくって使った。
常念小屋は数百メートル下からポンプアップしているため、それらよりはましだ。
顔を洗うなとは書いていないが、当然ながら体を洗うことは厳禁と書かれている。
山小屋で歯磨き粉を使ってはいけないというのは常識のはずだが、今回は常念小屋でも燕山荘でも書かれていなかった。
使っていいのだろうか?

山では相当な量の汗をかく。
しかし当然シャワーも風呂もない。
しかも着替えをたくさんリュックに入れると命に関わる。
リュックは可能な限り軽くするというのが大原則だ。
山では着替えは持たない。
もしくは、濡れた下着を乾かすために、一式だけ下着の予備を入れる。
この場合もあくまでも乾かすためであり、ローテーションで使う。
山では綿を着てはいけない。
綿は濡れると乾きにくく、山では汗で濡れた綿のシャツが冷たい風に吹かれて冷やされれば凍死する危険すらある。
また、綿はなかなか乾かないために不快で、しかも匂いやすい。
どうも太くて臭い人ほど綿を着ているような気がする。
地上でもそうだ。
電車でも臭くて仕方がない。
座席にしみついた臭いが不快なこともある。
地上でも、汗をかく季節に綿を着てはいけない。
他人に対して迷惑だ。
ポリエステル系で速乾性の服や下着は、汗で濡れても驚くほど臭わない。

ついでにもう一つ。
なぜ真夏にジーパンを履いている人がこんなに多いのか不思議だ。
ジーパンは綿でできていて、しかも分厚く、濡れると乾きが極度に悪い。
その分臭いやすい。
ストレッチ性もない。
夏に着るものではないと思う。

部屋には高橋克実そっくりの70前後と思しき男性と連れの男性。
この男性が非常に人懐っこい人で、まず自己紹介し、私が名乗るとすぐに名前を覚え、話しかけてきた。
一緒にビールを飲むことになり、普段からほとんどお酒は飲まないし、山では高山病と翌日への影響も心配なのだが、付き合いなので仕方がない。
つまみをご馳走になり、夕食まで楽しく会話した。
夕食は5時半。
夕食後も辺りは雲の中。
夕焼けは無理だが仕方ない。
お二人に合わせて7時就寝。
敷布団の上にブレスサーモの寝袋。
ここに入って寝る。
最初暑くて汗だくになった。


<沢沿いに咲く花々>

シシウド




上の写真をトリミングした。






ミヤマトリカブト

























上の写真をトリミングした。



























アザミ






上の写真をトリミングした。



















上の写真をトリミングした。






サラシナショウマ






東、安曇野方面。






上の写真をトリミングした。













北には明日行く予定の横通岳。
確かに名前の通り、山頂には行かずその横を通るだけである。






夕食後しばらく外にいたが、雲に覆われていい写真は撮れなかった。
山の夕方というのはこういうものだ。
小屋に帰ると明かりが灯っていた。





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