5月30日行者山・傘山


昨日は10時過ぎ就寝。
もっと寝ているつもりだったが、5時前に目が覚めて眠れないので仕方なく5時起床。
今日は玖波駅から行者山にさっと行ってこようと思っていたのだが、思っていたよりも早く出発するため、その奥にある傘山まで縦走することにした。
玖波駅までは遠いが、安芸中野駅から1本で行ける。
6時半に家を出た。

標高
行者山 314m
傘山   650m

玖波駅8時出発
玖波駅12時15分到着
所要時間4時間15分
休憩25分
歩行時間3時間50分(ひろしま百山には6時間10分と書いてある)。

山と渓谷社の「広島県の山」は、よく整備された満足度の高い山を厳選して推薦している。
初心者でも安心して登山できるように配慮されている。
それに対して、中国新聞社の「ひろしま百山」(現在は入手できない)は広島県の百の山を紹介しているのだが、中上級者向けの藪こぎのような道だったり、ロングコースだったりする。
「広島県の山」が行者山のみを紹介しているのに対して、「ひろしま百山」は傘山までの縦走を紹介している。
今回は「ひろしま百山」を参考に歩いた。

玖波駅を出て左、次も左、ガードをくぐり、土手に出て、橋を渡る。
地元の愛好会の小さな道標を頼りに進む。
道標がなければとても登山口までたどりつけないようなややこしい道だ。




登り始めてしばらくすると展望が開ける。
8時過ぎというのに日差しを浴びながら登ると暑い!
しかし展望のいいところで風に吹かれると寒い。
大竹市、宮島、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々が美しい。

宮島。





以前登った経小屋山を新幹線のトンネルが貫いている。






途中高さ数十メートルの巨岩に細い鎖がぶら下がっている。


行者が修行のために使うもので、一般の人は使用を禁じられている。
しかし許可されても登りたくない。
これまでに登った中で最も怖かったのは石鎚山の鎖だ。
垂直に数十メートルを登っていく。
しかし鎖が太く、手で掴み、足を入れて登ることができる。
それに対してここの鎖は細く、手で掴むしかない。
足は岩に置くことになるが、垂直な上に平らで足をかけるところがない。
岩はつるつるしていて、まず足は滑るだろう。
ほとんど全体重を細い鎖を掴み腕力だけで持ちあげなければならない。
落ちたら間違いなく死ぬ。
よくこんな危険なことをやるものだ。
見ただけで十分ジェットコースターに乗ったような気分になった。

見事な展望を楽しみながら、石鎚神社に到着。


行者山山頂はそのすぐ先だ。

ここまでは一般ルート、ここからは中上級者向けで一般の方にはお勧めできない。
シダなどが道を覆って、ほとんど藪こぎ状態。
こんなことがしたくて登っているんじゃないよなどとぼやきながら進む。
ただし、山頂から10分ほど下って登り返したところに玖波槍があるが、ここからは360度の絶景が広がる。
道はあまりよくないが、時間が短いので一般の方もここまでは登ってみてはいかがだろうか。

玖波槍から傘山を望む。





玖波槍から、行者山とその向こうに宮島を望む。



さらにひどい道を傘山に向けて進む。
このルートは、来るとしたら冬だ。

ネック。








道がよくなるとしばらくして車道に出る。
少し先に傘山登山口の道標がある。
これまたひどい道をしばらく進むと展望が開けた。
先ほど絶景を楽しんでいた行者山と玖波槍が、遥か彼方、そして遥か下方にあるではないか!
苦労しただけに、ジーンと来た。
来てよかった。
距離が長く、アップダウンが多く、道が悪いが、それを補って余りある感動的な眺めだ。
この眺めはここまで登ってきた人しか見ることができない。

右、大竹市の手前、左のピークが行者山、右のピークが玖波槍。





望遠で撮影。
左のピークが行者山、右の尖ったピークが玖波槍。



途中展望のいい岩にお爺さんが座っていた。
日曜日というのに、今日出会った唯一の登山者だ。
挨拶しても返事がない。
耳が遠いのか。
仕方がないので写真を撮っていたら、突然巨大なカメラと巨大なレンズで鷹を撮りはじめた。
変わった人だ。




やたらとよく滑る落ち葉が積もった坂道を登ると傘山山頂だが、ここはあまり展望がないので素通り。
少し行くと、こちらの方が標高が高いのではないだろうか。
小さなテレビ塔の建つ見晴らしのいい場所に出る。


北方面の眺め。



下山路はその先にある。
途中尾根道と谷道に分かれるが、どちらもやばそうな雰囲気だ。
仕方がないのでややましそうな谷道を下る。
途中川と道が一緒になり、靴を濡らしながら進む。





車道に出て8分下ると先ほどの登山口。
ここから憩の森へ下る。
沢は水量が多く心地よい。
西山社を経由し、玖波駅に到着。

1時半帰宅。
午後は昨日同様たっぷりと練習。

行者山は文句なしに素晴らしい山だ。
よく整備されているし、絶景が楽しめる。
「広島県の山」では西山社からの道を紹介しているが、石鎚神社経由の方が眺めもいいし楽しい。
岩場が多いが、特に危険はない。

傘山は素晴らしい山なのだからもう少し整備すればいいと思うのだが、現状では体力に自信があり藪こぎを厭わない中上級者向けのコースである。
ただし行者山や玖波槍を遥か下に見下ろす高度感はたまらない。
苦労して登る価値のある山だ。


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